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五十肩(凍結肩)治療法 サイレント・マニュピレーション

サイレント・マニピュレーションとは、エコーガイド下に肩関節支配のC5、C6神経根周囲に麻酔薬を注入(神経ブロック)した上で、上肢を動かし、硬くなった関節包を徒手的に破断させ、拘縮を解除する治療法です。

五十肩(凍結肩)治療法 サイレント・マニュピレーション

50歳前後で生じる肩や腕の痛みは五十肩と総称されますが、五十肩には凍結肩だけでなく、腱板断裂や石灰性腱炎、変形性関節症など、多彩な疾患が含まれています。エコー検査を活用して外来で迅速にこれらの疾患を見分けた上で、凍結肩患者に対して、サイレント・マニピュレーションにより20分程度の外来治療で治す神経ブロック下授動術(サイレント・マニピュレーション)が注目されています。
サイレント・マニピュレーションとは、以前から行われていた授動術を改良したもので、エコーガイド下に肩関節支配のC5、C6神経根周囲に麻酔薬を注入(神経ブロック)した上で、上肢を動かし、硬くなった関節包を徒手的に破断させ、拘縮を解除する治療法です。

従来の授動術は全身麻酔下で行うもので、骨折や腱板断裂などのリスクが指摘されていました。本法も慎重に行うべき手技であることに変わりはありませんが、神経ブロック下では患者に意識がある状態で行うため、有害事象があれば反応も得やすくリスクは下がり、これまで骨折や腱板断裂などの合併症は1例も経験していないという報告があります。

凍結肩は関節包の肥厚短縮を主病態とし、肩痛・可動域制限を主訴とする疾患です。一般集団における有病率は約2%と患者数は多く、五十肩といわれている患者の4分の1程度が実際には凍結肩だと考えられています。
凍結肩は経過とともに症状が変化します。疼痛が主体で可動域制限が進行する急性期(6週〜9カ月継続)、可動域制限が著しく進行した拘縮期(4〜6カ月)、疼痛・可動域制限ともに軽快していく回復期(6カ月〜2年)と病期が分けられています。一般的に急性期の凍結肩には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などによる疼痛管理が行われます。拘縮期に入ってから運動療法が行われ、運動療法で十分な改善効果が得られない場合に限って、全身麻酔下による授動術(徒手的な関節包破断:マニピュレーション)や、全身麻酔下による関節鏡下関節包解離術が治療の選択肢になります。しかし、こうした治療は入院が必要であることなどから、最後の手段とされていました。
サイレント・マニピュレーションによる治療時間は、麻酔が効くのを待つ時間なども含めて15〜20分程度。授動術後は、翌日から可動域を広げるための理学療法を開始し、3週間程度で通院治療は終了、通院終了後も可動域を広げるための運動を継続するよう指導します。

なぜ関節包を破ることで、痛みが改善するのでしょうか・・関節包内には痛みの神経終末が多数分布しています。凍結肩による痛みは、短くなった関節包に、関節包内の神経終末が引っ張られることで生じると考えられています。そのため病期にかかわらず、授動術を実施すれば痛み刺激の伝導を阻害でき、除痛効果があるというわけです。破断した関節包は、徐々に再生すると予想されています。

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